「執 着」

こんにちは。水曜日担当の宮田です。実は、最近ハマった海外ドラマがありまして、そのなかで、主人公の父親が、困難な状況の渦中にいる息子に対して語った話に、個人的にとても勇気づけられる思いがしたので、ちょっと紹介したいと思います。

「人間には執着すべきでない4つの事柄がある。1つ目は永遠、2つ目は是非、3つ目は善悪、4つ目は生死。

 執着は時に美徳に欠ける。

 永遠にこだわれば損得を気にして道を見失いやすい。

 是非に固執するのは無駄なことだ。実際この世界には”絶対”など存在しない。

 善悪にこだわれば小さな過ちすら許せず、傲慢な人間になってしまう。そして強引に世の中を変えようとする。

 生死に固執すれば視野が狭くなる。そして一生二番手止まりになるだろう。

 だから何事も深く悩み思案する必要はない。思い煩うなど無駄だ。覚悟を決めたら是非を問わずに行動しろ。

 そうすれば進むべき道が見えてくる。」

皆さん、どう思われます?

私なりには、要するに”執着”ということが問題なのだろうなと思います。

永遠について考えることも、是か非かを問うことも、善悪の判断も、生きることも死ぬことも、いずれも人間にとってとても大切なことだと思います。

でも気をつけないと、それらは”執着”となってしまった時点で、極論へと暴走したり、本質を見失ったまましがみつくようなあり方になってしまうこともあるのではないか...。

でも、こうした戒めめいた言葉があるということは、人間はこういった執着に陥りやすいのだろうなとも思います。

とくにコロナ禍の昨今、私たちはこれまで以上にありとあらゆることで、是か非か、善か悪かのせめぎ合いのなかにあり、心のどこかでは変わらぬ永遠を求めながらも、死というシビアな現実にも、程度の差こそあれ、すべての人が常にさらされ続けているという異常事態が、もはや日常となってしまっているわけで...。

そんなこんなを考えるにつけ、「諸々に執着するな!」という方が難しい話かも...。

また、一緒に深く悩み思案する場を提供する立場の私が、「その必要はない!」と豪語するのも変な話なような...。

でもこの語りをきいたとき、思ったのです。今一度、自分の悩みの根源に潜む”執着”について着目し、それを紐解いていくことで、進むべきあらたな道が見えてくるのではないか、と。まあともかく、今の私にとっては、とても示唆深い言葉だったのです。

それにしても、私は一体何に”執着”しているのでしょう??

参考:ドラマ『鎮魂』 

   監督 周 遠舟

   主演 朱一龍,白宇

   2018年 中国