#3 山頂の景色のハナシ

ゲンジくん、最近は山登りしてるんだね。

山登りっていっても、そんなに高い山じゃなくて。標高300mくらいの低山なんですけど、それだと2時間くらいで登り降りできるんですよ。

へえー。

この間、登った山は、山頂近くに茶屋があって。そこで餃子が食べられるんです。

それ、いいなー。

昔からある茶屋みたいで、一昔前の登山ブームのときは賑わってたんだろうなって感じの場所なんですけど。古い建物で、すごい趣があるんですよ。

そんな場所があるんだ。

そこで出してくれる餃子が、普通の餃子より大きくて、噛むと中はスープ入ってるみたいにじゅわじゅわ。もう、絶品なんです。

おおー。

山の上で餃子食べられるっていうのも、また良くって。

ちょっと特別な感じするよね。

そうなんです。

なんだか、そういう時間が過ごせるとゲンキ出ますよね。

出ますね。

実は山登り、すごく興味あるんだけどね。何年か前に友達に誘われたことがあって、「靴さえ買えば連れてってやるよ」って言われて。

じゃあ、靴は買ったんですか。

いや、結局買わずに。当時は体の調子も壊しちゃて、もう登れないやって。一応、熊よけの鈴とかも買ってたんだけど。

そっちを先に(笑)。

自分でもよくわからないけど、熊怖くてさ。なにか意味があるのかな。

熊はみんな怖いですよ(笑)。

まあ、そっか(笑) でも、その熊よけ、買ったはいいけどすっごいうるさくて、付けるの恥ずかしいんだよね。

熊だけじゃなくて、人も寄ってこない…。

一同笑

山登りとは違うけど…、バイクでナガノ県に行った時に、シンホダカのロープーウェイに乗ったことがあって。標高が2,000mとかあるんだけど、そのときの絶景感はよく覚えてるなあ。

ああー、わかります。山登って頂上に着いたとき、ぱーっと景色が広がっているのが視界に入るんですよ。

うんうん。

見渡す限り360度、自然があって。そして、遠くに人が住んでいる町が小さく緻密に広がっていて。見た瞬間、なんだこれ、すげぇーっていう気持ちが湧き出ますね。

そうだよね。ナガノ県の山とかになると何千メートル級とかになるから、あの景色を見てしまうと…ちっちぇーなぁと思いますね。

自分のこととか、色々と…(笑)。

その一瞬だけですけど、気持ちが広がりますよね。天井がすこーんと抜ける感じというか。

いいよね、山は。…っていうか、私は登ってないけど(笑)。

さも登ったかのように言ってるけど。

熊よけの鈴しか買ってない(笑)。

次のハナシへ続く…。